「あのねぇ、」
「…必死だったんだ」
俺はうつむいて、メイの言葉を遮った。
「必死?」
「お前を探すのに、必死だったんだ」
…メイに、見られなくてよかった。
こんな真っ赤な顔。
「…っ、何、言ってんの」
「るっせ、超走り回ったんだからな」
髪振り乱して、貴族のイメージが台無しだ。
「感謝くらいしろっつの」
昨日だって、結局適当な礼しか貰ってない。
「…レオ」
「あ?」
「お祭り、まわろ!」
顔を上げると、何故だか笑顔のメイがいて。
そんな顔見せられたら、
「…ったく、しょーがねぇな」
って言うしかないだろ?
俺は立ち上がると、笑った。
俺、
…お前には弱いみたいだ。