…いねぇし。
どこ行ったんだよ!
そんな俺の焦りなんか知ることなく、女たちは俺の服をしきりに引っ張る。
正直、それどころじゃないが、
「わかりました。行きましょう」
こいつらをどうにかしないと。
俺は敢えて、人混みの多い通りを選んだ。
俺の腕を掴んでいた女が、人混みに巻き込まれ、手を放す。
待ってましたとばかりに、俺は人混みに上手く紛れ込んだ。
―――悪い、ロゼ!
心の中で十分な謝罪をした後、俺はメイを探しに走り回った。
自分でも、どこをどう探し回ったかわからない。
ただ、メイの姿が見つかることもなく。
時間だけが過ぎていく。
「…くそっ、あのバカ」
どうしようもない焦りを、メイにぶつけた。