俺はメイの部屋へ辿り着くと、ノックもせずに扉を開けた。


ノックしても、気づかないだろうし。



ぐっすりと眠っているメイに近づきながら、俺は呼びかける。


「メイ」


無反応。


「おい、メイ」


無反応。


だめだこりゃ。



俺は大きく息を吸い込む。


「メイッ!! 起きやがれッ!!」


「うわっはいぃ!!」


メイの耳元でそう叫んだら、可笑しいぐらいに飛び起きた。


放心状態のまま、メイは俺をじっと見る。


「………レオ」


「いつまで寝てんだお前は」


ため息と共にそう言うと、メイは返事もせずにただ俺を見つめている。


…こいつ、まだ夢と現実の間をさまよってんのか?



少しからかってやろうと思い、俺はニヤリと笑う。