「ロゼー」
「はい」
「メイ起こしてくるわ」
なかなか起きないメイを叩き起こそうと、俺は重たい腰を上げた。
そんな俺を、ロゼは物言いたげな目で見る。
「………何」
「いえ。レオ様なら私が申し上げなくても、おわかりになるかと」
いや、さっぱりわかんないから。
…なーんて言えるわけもなく、俺は苦笑いを浮かべながら部屋を出た。
ロゼとは、俺が80のとき(人間だと8歳くらい)からの付き合いだ。
当時からロゼは無愛想で、でもたまーに、俺には笑顔を見せてくれる。
それに昔から、ロゼは俺を過大評価しすぎなんだよな。
俺はそんなに出来のいい魔族じゃないのに。
ロゼの方がよほど尊敬に値する、と俺は思う。