やばいやばいやばい。
どうすればいいの―――!?
ぐるぐると頭の中が回る。
その間に、地面はどんどん近づいてくる。
大人しく寝てればよかった。
あたしのバカ。
こんな短い一生ってアリ?
まだ恋だってしてないのに。
王子様にだって会えてないのに―――!!
「メイ!!」
ふわり。
漆黒の羽根が、宙を舞う。
「…レ、オ…?」
信じられないけど、レオがあたしを助けてくれた。
あたしを抱きかかえたまま、レオは静かに着地した。
あたしの瞳には、レオの背中から広がる黒い翼が映し出される。
その両翼を凝視しながら、あたしは震える唇を動かした。
「………レオ…」
「―――っにやってんだこのバカ!!」