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「メイ様のお部屋は、ここです」
ロゼに連れられて、あたしは1年間お世話になる部屋へ入った。
「わぁ―――…」
思わず、感嘆の声をあげる。
城の内装も好みだったけど、この部屋もすっごく素敵。
何より…黒くない!!
あたしの部屋は、カラフルだった。
「すごーい!こんな部屋もあるんだね!」
ふかふかのベッドに横たわると、ロゼは当たり前かのような口調で答えた。
「メイ様の為のお部屋ですから」
「へ?」
「このお部屋は、レオ様がメイ様の為にご用意なさったのです」
…レオ、が。
「…魔術だか何かで?」
「まさか。魔術で家具は出せませんよ。人間界へ行く度に、ご購入なさったのです」
…あたしの…為に。
わざわざ?