…う。
あたしは喉を詰まらせた。
「…それでもっ、お父さんは魔族っぽくないしっ!」
目の前にいるレオとロゼの耳は、よく見れば尖っている。
お父さんは、普通の耳だもん。
「…お前の今の父親は、人間だろ」
………え?
あたしはレオの顔をじっと見つめる。
「…今、の?」
「本当のお前の父親…魔族の父親は、追放されたっつっただろ。魔界での追放は、"死"を意味する」
あたしは小さく息をのんだ。
それじゃあ、あたしとお父さんには何のつながりもないの?
陽兄や大兄や草兄とは…半分しか血がつながってないの?
あたしは唇を噛み締め、震えながら瞳を伏せる。
…そんなの、信じられないよ。
「…違う…あたしじゃない…」
お願いだから、間違えたって言ってよ。