「…諦めないで、芽依。しっかりと掴んで、離しちゃだめよ」


お母さんはあたしの手を取って、ネックレスの紅い玉を握らせた。


微かに伝わる、温かさ。



"その紅を、俺だと思えばいい。俺はこの蒼をメイだと思う"



―――いつかの言葉。



ねぇ、レオ。


レオは今、あたしのことを想ってくれてるの?



あたし…やっぱりレオが好き。


大好き。


だから、このままで終わりは嫌。



お母さんの言うように、諦めちゃだめだ。


幸せはまだ掴める。


永遠はまだつくれる。



―――あいたい。



『………メイ』



ほんの微かに、レオの声が聞こえた気がした。





「レオ―――――ッ!!」





大声で、あなたの名前を叫んだ、その瞬間。



あたしの視界は、闇に溶けた。