リビングに降りると、テーブルを囲む家族の姿。
お父さん、陽兄、大兄、草兄…
みんな…魔界のことを知ってたの?
あたしとお母さんが席に着くと、一番最初に口を開いたのはお父さんだった。
「…芽依、長い間留守にしていて悪かったな」
「…ううん」
気のせいか、お父さんに憐れみの視線を向けられている気がして。
あたしは、テーブルの何もない空間を見て答えた。
「芽依、よく聞いて」
お母さんの凛とした声が、リビングに響く。
あたしが顔を上げると、目の前に真剣な瞳があった。
今は黒だけど…昔は蒼かった、お母さんの瞳。
「今まで黙っていたけど、あなたは私と魔族の間に生まれた娘なの。…もう知っていると思うけど」
最後の付け足しに、お母さんは苦笑してから続けた。
「だから、お父さんとは血が繋がっていないし、陽介、大地、草太とも繋がってないわ」