メイが人間界に帰ってから、一週間が過ぎた。


魔界での一週間なんか、人間界ではほんの僅かな時間にすぎない。



…誰のせいでもない。


叔父でも、

"薔薇姫"でも、


親父でもない。


こんな結果になったのは…誰のせいでもない。



いや、誰かのせいになるなら、それはきっと俺。



俺が弱いから、メイを傷つけた。


俺のせい。


この運命を変えることの出来ない自分に、腹が立つ。



だから今は…


誰にも会いたくない。


誰かに、この怒りをぶつけてしまいそうになる。


「…レオ様」


「悪い、ロゼ。後で行く」


明らかにロゼに心配をかけている自分が、更に嫌になる。


苛立ち紛れに冷たくあたるなんて、本当に最悪だな、俺…


今なら、自分のことがとことん嫌いになれる気がする。