あたしじゃなきゃ、だめ。
どうしてあたしじゃなきゃだめなんだろ?
レオには、今日初めて会ったのに。
悶々と一人で考えていると、ロゼが突然口を開いた。
「レオ様。あのお話を先にお伝えした方がよろしいのでは」
「あのお話?」
その言葉に反応して聞き返すと、レオは「それもそうだ」と頷いた。
あたしは二人の顔を交互に見る。
「………何?」
「…そんなあからさまに嫌そうな顔すんなよ」
そりゃあしちゃうよ。
今日はあたしにとって、人生最悪の日だもん。
「…少し、昔話をする。いいか?」
そう言って、レオは腕を組み、部屋の中を行ったり来たりし始めた。
ロゼはそんなレオを、無表情で見つめている。
「…どうぞ」
あたしがぶっきらぼうにそう答えると、レオはゆっくりと話しはじめた。