―――魔界。
「…レオ様」
「………」
声を掛けられ、俺は眠りから覚める。
ゆっくりと体を起こすと、そこにいるのは、
「……はよ、ロゼ」
相変わらずの仏頂面を浮かべるロゼ。
いや、今は仏頂面+少しの心配が表れた顔だ。
「…朝メシは?」
その表情の理由は、わかってる。
けど俺には、敢えてそこに触れる勇気がない。
…だから、気づかないフリをする。
「…すでに、ご用意しております。マオ様とネオ様は、もうお食事を終えられました」
「……そーか」
親父が出かける前。
それまでは、嫌々ながらも家族揃って食事をとるのが当たり前だった。
けど最近は、揃うことがない。
…俺がわざと、遅く起きてるからだ。
そんな気分じゃ、ない。