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「…準備は、いいかな?」
「……はい」
小さな部屋。
床に描かれた複雑な魔方陣。
その中心に立つ…あたし。
人間界に帰る、と決心したあのあと。
決心が揺るがないうちに帰りたかったあたしは、すぐにマオさんのもとへ頼みに行った。
マオさんは頷いて、「それじゃ、明日にでも」と言ってくれた。
そして―――…
今日、あたしは魔界を去る。
「無理やり空間をねじ曲げるから、少し変な感じがするかもしれない」
「…大丈夫です」
マオさんの忠告に、あたしは微笑んだ。
レオと離れる痛みに比べたら、そんなのどうってことない。
「…メイ、行っちゃうんだな」
ポツリと呟いたのは、ネオ。
いいって言ったのに、お見送りに来てくれた。
ネオだけじゃないの。
マレッタも、ロゼも…レオも。