「…迷惑かけて、悪かったな。本当は、もっと足掻くつもりだった」


「…足掻く?」


「メイとの結婚を認めさせたかった。けど、それまでに何が起こるかわからない」


レオの大きな手のひらが、あたしの頬に優しく触れた。


「カッコ悪いな、俺。こんな形でしかお前を護れないなんて」


そう言って苦笑するレオに、あたしは目一杯首を横に振った。


「レオはカッコ悪くなんかないよ…!」


いつも、あたしが困ってるときは助けてくれて。


あたしのことを、こんなにも想ってくれて。



きっと出逢ったあの日から、レオはあたしの王子様だった。



「…サンキュ」


はにかんだように笑うレオが、愛しいって思った。


こんなにも、あたしはあなたが大好きになってたんだね。





…そして、あたしたちは。



最後のキスをした―――…