「相手が嫌な思いをするのを護るくらいなら、いっそ別の場所で幸せに笑っていてもらいたい」


レオが、手の甲であたしの涙を拭う。



「…その場所に、自分がいなくても」



…相手の幸せを願う。


それが、レオの愛の形なんだね。


「あたしが…嫌だって言っても?傍にいたいって言っても…?」


いくらあたしがすがりついても、きっとレオは。


「俺は、メイがこの先俺といることで、嫌な思いをするのが嫌だ」


…そうやって、優しくあたしを突き放していくんだね。



大好きな、大好きなひと。



あたしも、あなたの幸せを願いたいよ。


あたしが傍にいることが、あなたの重荷になるなら。


あたしが帰ることで、あなたが少しでも安心してくれるなら。



…それなら、あたしは。


あなたの為に、人間界に帰るよ。