『お前が欲しいんだ、メイ』



…。

……。

………!?



一瞬、呼吸が止まった気がした。


「……ぬ、な……」


舌がもつれる。


口が開いて塞がらないあたしを見て、レオは顔をしかめた。


「喜べよ。貴族婦人だぞ?」


喜べるか―――!!


魔界の魔族の貴族婦人でしょ!?


「…ってゆうか!何であたしなの!!」


わけわかんない。


魔族は魔族同士で結婚してよ。


あたしを巻き込まないでほしい。


「人間がいいなら、他にもたくさんいるでしょ!?」


するとレオは、首を横に振った。



「お前じゃなきゃだめだ」



………ずるい。


そんな顔で…そんな瞳で見ないでほしい。



あたしは顔を背け、言葉の意味を考える。