「………っ」


レオ、その顔反則だよ。


今のあたしの顔は、きっと薔薇にも負けないくらい真っ赤だと思う。


「ずっと…メイのことだけを考えてた。メイを迎えに行くまで、ずっと」


…レオ。


そんなこと言われたら、あたし…また涙出ちゃうよ。



『何百年も前から、心に決めたやつがいる』



マレッタから聞いた、レオの言葉。


それは、あたしのことなんだ…って、自惚れてもいいの?



レオの優しい笑顔を見たら、途端に視界がぼやけて。


俯くあたしの頭を、レオが優しく撫でてくれた。



―――レオ。


―――レオ…



涙と共に溢れる想いは、もう心の中だけに留めてはおけなくて。


あたしはレオの瞳を捉えると、想いを告げようと口を開いた。



「…レオ、あたしはあなたが…」



でも。


最後まで、言えなかった。