…何、それ。
そんなこと言われたら…
「うっ…マレッタのばかぁー…」
簡単に、嘘の仮面が剥がれてしまう。
「ばかとは何ですのっ!失礼ですわっ」
ぷりぷりと怒り出すマレッタを見て、更に涙が溢れるあたし。
ありがとう、マレッタ―――…
*****
あたしは、どれだけの涙を流したんだろう。
流しても流しても、これでもかってぐらい溢れてきて。
それでも、やっとおさまった頃には、随分とスッキリした。
「…ごめん、マレッタ」
あたしが泣き止むまで、ずっと傍にいてくれたマレッタに、あたしは謝った。
「別にいいですわ。暇でしたもの」
…あ、やばい。
マレッタの不器用な優しさに、また涙出そう。
それをぐっとこらえたあたしは、最後の涙を拭った。