マレッタの気迫に、たじたじのあたし。


更に口を大きく開こうとしたマレッタは、あたしを見て止まった。


「………」


「…え?何?」


あたしが眉をひそめると、マレッタは「お邪魔しますわ」とあたしの部屋に入り、扉を閉めた。


「ちょ、マレッタ?」


「座りなさい」


「あ、はい」


…有無を言わさない感じのマレッタの一言に、あたしは従うしかなかった。


あたしがベッドに座るのを見届けると、マレッタは口を開いた。


「…聞いたんですのね?」


その紫の瞳に見つめられたら、「何を?」なんてとぼけられないよ。


「………うん」


あたしが力なく笑うと、マレッタはふう、とため息をついた。


「無理して笑わなくて結構ですわ」


「…え、」


「泣きたいときは泣きなさい」