泣いて、泣いて。
泣きつかれて、知らない間に眠ってしまっていたあたしは、扉が叩かれる音で目を覚ました。
―――誰?
どくん、と脈打つ心臓。
どうしよう…
レオだったら…あたしっ…
「ちょっと!メイさん!? いるんでしょう!?」
「………え?」
扉をドンドンと叩くのは、どうやらマレッタみたい。
安心したような、切ないような複雑な気持ちで、あたしは扉を開けた。
そこには、いつかのキッとあたしを睨みつけるような眼差しを向けるマレッタがいて。
「お…おはよう」
…なんて、思わず一歩後退りしながら言ってしまった。
そしたら案の定、くわっと目を見開くマレッタ。
「おはよう、じゃないですわよ!部屋に籠って出てこないで、あなた何なんですの!?」
「…な、何なんですの、って」