ない頭をフル回転させて、たどり着いた答えは、ただひとつ。


「―――帰るッ!!」


ところがこの考えは、すぐにレオに却下された。


「は?無理。お前さ、何で俺がわざわざ迎えに行ったと思う?」


「…い、いけにえにするため?」


ロゼが、「魔族はちゃんとした食事をとります」と呟いた。


…じゃあ、何なの。



レオが、ゆっくりと一歩を踏み出した。


だんだんあたしに近づいてくる。



逃げなきゃ、そう思ったのに、レオの紅い瞳から目がそらせない。


レオはあたしの前で立ち止まると、あたしの顎を片手でくいっと持ち上げた。


不覚にも、心臓がどくん、と脈打つ。





「…お前が欲しいんだ、メイ」





彼の紅い瞳に、あたしの蒼い瞳が映った。





―――紅と蒼が、


出逢った瞬間だった。