そんな魔王さまに、ロゼが話しかけた。


「…マオ様。帰られたのですか」


その声に魔王さまが反応した隙に、レオとネオは腕から逃れた。


悔しそうに舌打ちしたあと、魔王さまはテーブルから降りた。


「久しぶり、ロゼ。留守にしてて悪かったよ。悪ガキのお守りは大変だったろ?」


「あ…いえ」


「悪かったって思うなら、旅行なんか出かけんなアホ」


ぼそっとレオが呟いた言葉に、口を尖らせる魔王さま。


「そーいうこと言う。俺がいなくて寂しかったなら、寂しかったって言えよ」


「冗談言うな。そのまま親父が帰って来なくて、俺が魔王継いでもよかったんだからな」


「うわー、可愛げのない息子に育っちゃってまぁ…」


…何か、見た目と中身のギャップが激しい。


見た目はすごい魔王っぽいのに。


中身は子供っぽい。