その人が声を発したわけでもないのに、みんな押し黙ってしまった。


あたしはどうすればいいのかわからず、レオを横目で見るばかり。


「…レオ、ネオ」


すると、静寂を破ったのは、透き通った綺麗な声。


その声の持ち主は、レオとネオにゆっくりと視線を向けると、


「会いたかったぞ―――!!」


と言って、2人に抱きついた。


…ん?


抱きついた??


「ちょっ…!放せ!クソ親父!」


「またまた、照れちゃって」


「照れてねぇっつの!離れろ!暑苦しいっ!」


…えーと。


何だろ、この光景は。



さっきまでの気品や威厳はどこへ消えたのか、ニコニコと息子2人を抱きしめる魔王さま。


その腕から逃れようと、必死にもがくレオに、窒素しそうなネオ。