あたしが呟いた言葉に、ネオは優しく微笑んだ。


「…メイみたいなやつが、大勢いればいいんだけどな。期待も反感も、全て兄貴には重すぎるんだ」


レオにも、ネオにも…そんな過去があったなんて。


レオは次期魔王の期待と反感を同時に背負ってる。


裏切りの印と向き合って、辛いなんて感じさせないように振る舞ってる。


「…メイ?」


ネオに声をかけられて初めて、あたしは頬に涙が伝っていることに気づいた。


「…あれっ?やだあたし、何泣いてっ…」


無理やり笑って涙を拭っても、逆に溢れ出るばかり。



…ただ。


何だか、悲しくて。


「…メイは、優しいな」


そう言ったネオに、あたしは優しく抱きしめられた。


その温かいぬくもりは、あたしの心を落ち着かせてくれた。


「…メイはさ、兄貴が好きなの?」