裏切りの印。


綺麗な翼なのに―――…?


「…っ、何で?」


「魔族の中で、翼さは廃れていった。今じゃ、持つものは稀なんだ。…叔父さんにはあった。その血筋の俺たちにも」


そこで言葉を区切ると、ネオは自嘲気味に笑った。


「裏切り者に翼があったら、その翼を持つ者みんな、裏切り者扱いだ」


「そんなのって…!」


あたしが抗議の声を上げると、ネオは首を横に振った。


「いいんだ。もう過ぎたことだし。ただ、その印を一番強く背負ってるのが…兄貴なんだ」


「…レオが…?」


「そう。次期魔王後継者。周りからの期待もあれば、裏切り者だっていう反感も多い」


…裏切り者の血を引く者が魔王になるのが、納得出来ないってこと?


そんなの…


そんなの、やっぱりおかしいよ。


「レオは…レオなのに」