…ずっと、不安だった。


瞳が蒼いってだけで、あたしが"薔薇姫の子"だなんて信じられなくて。


この瞳のせいで避けられることが多かったのに、この世界では崇められてる。



もし間違いだったなら?


その不安を拭うことが、どうしても出来なかったの。



でも。


あたし今、初めて蒼い瞳でよかったって思えるよ。


この瞳がなかったら、レオに出逢えなかった。


もちろん、ロゼやマレッタやネオにも。



「ありがと…ロゼ」



あたしは、精一杯の笑顔をロゼに向けた。



"薔薇姫の子"



その肩書きが、あたしにとって良いものなのか、悪いものなのかは、まだわからないけど。


それでも、今やっと向き合えた気がした。



これからどう転ぶのかは、あたし次第なんだ。



ねぇ、レオ。


あなたの瞳に映るあたしは、"あたし"なのかな―――…?