「…兄貴!誰この子」


「メイ」


しれっとした顔であたしの名前を答えるレオに、「そうじゃなくて!」と声を荒げる弟くん。


「貴族のパーティーで、今まで見たことないんだけど!」


…それは、あたし貴族じゃありませんから。


万が一の為に紅のカラコンしてるけど。



レオは面倒くさそうにため息をつくと、あたしに視線を向けた。


「―――メイ、こんなんでも一応弟だし。話すから」


「うん。大丈夫」


レオの弟だもん。


きっと、言いふらしたりはしないはず。


―――なんて、根拠のない自信なんだけどね。



レオは弟と向き合うと、口を開いた。



「メイは、人間だ。俺たちが探し求めてる、"薔薇姫の子"」



レオの弟の反応は、マレッタの時と全く同じ。


目を見開いて、口をぱくぱくさせてる。