「…ロゼ!お前は兄貴の味方すんのか!?」


食って掛かるレオの弟に、ロゼは首を横に振る。


「どちらに味方するとか、そういう問題ではありません。お客人の前で、喧嘩なさらないで下さい」


「…お客人?」


レオの弟は悪あがきをやめ、眉をひそめた。

同時に、レオが自分の弟をつかんでいた腕を離した。


「お久しぶりですわ。ネオ様」


マレッタが一歩前に出て、軽く会釈をした。


「…何だ、客人てマレッタのこと…」


そう言いかけたレオの弟は、あたしに目を止めて、ふと口をつぐんだ。


あたしは、慌ててマレッタと同じように会釈した。


「あ、初めまして!」


顔を上げると、レオの弟は、何故かポカンとあたしを見ている。


あたしが首を傾げると、レオの弟は後ろを振り返った。