「うるっさい!どこに弟に使ったことない魔術試すバカ兄貴がいんだよ!」


必死にもがく男の子に、不敵な笑みを向けるレオ。


「いるじゃん。ここに。ただしバカじゃなくて天才の間違いだけどな」


「はぁ!? こっちは兄貴のせいで酷い目にあったんだからな!?」


「それはお前の運が悪いだけだって。…ってか、どこにいたのお前」


「帰ってくんのに一年弱はかかる遠ーい土地だよッ!!」


これは…兄弟喧嘩?


兄貴ってことは…レオとこの男の子は兄弟だよね?



ポカンと口を開けて、そのやりとりを見つめるあたしに、マレッタが耳打ちした。


「ネオ様。正真正銘、レオ様の弟ですわ」


「あ…そうなの」


あたしが、なんとかそう答えるのと同時に、ロゼがその兄弟喧嘩を止めに入った。


「レオ様、ネオ様!」