その紅い瞳から、貴族だということがわかる。


男の子は、すごい形相で…レオを睨んでいた。



対するレオは、涼しい顔をしてその男の子を見てから、口を開いた。


「よぉ、ネオ」


…あれ?知り合い?


あたしは首を傾げつつ、二人を交互に見た。


「…よぉ、じゃねーし…!」


男の子が、ぷるぷると拳を震わせながら、小さい声でそう言った、次の瞬間。


「ふっざけんじゃね―――!! このクソ兄貴―――ッ!!」


急に叫びだし、レオに殴りかかった。


「ネオ様っ!」


ロゼの焦りを含んだ声は、男の子に向けられていた。


…ネオ、様。


もしかして、兄貴って…



「兄に殴りかかるとは、いい度胸してんじゃねぇか、ネオ?」



男の子の拳を見事にかわしたレオは、そのまま男の子を後ろから羽交い締めにした。