「………」
「俺の勝ちだな」
「レオ様には敵いませんね」
「本当に弱いですわね、メイさん?」
…ゲーム終了。
勝者はレオ。
敗者は…
「何で―――!? 何でこういうときに限ってあんたが最初に勝つのよ!!」
喚くあたし。
もはや、負け犬の遠吠え。
得意気な笑みを返すレオは、「何命令しよっかな~」なんて鼻歌混じりに呟いている。
「何でロゼ勝ってくれなかったのー!?」
「え…」
「ちょっとメイさん!諦めなさい!」
ぎゃあぎゃあと部屋がうるさくなり始めたそのとき、部屋の扉が物凄い勢いで開かれた。
途端、あたしたちは一斉に口をつぐみ、開け放たれた扉を凝視する。
そこに現れたのは、体中がボロボロの男の子。
黒に近い色の髪に、紅い瞳。