「―――だ、だって悔しいじゃないッ!」
ムキになるあたしを見て、笑いを押し殺すレオ。
それが頭にきて、あたしはレオをキッと睨んだ。
「レオ、あんたねー…」
「なら、こうするのはどうかしら?」
食って掛かろうとしたあたしの言葉を遮って、マレッタが腕を組ながら言った。
「最初に勝った人が、ビリに何でも命令出来るんですの」
にっこりと笑うマレッタに、何故か嫌な予感を感じたあたし。
「…マレッタ?それはちょっと不公平なんじゃ…」
「お前が頑張ればいいだけだろ?」
振り返ると、レオが悪戯な笑みを見せる。
「それとも、勝てる自信ねぇのか?」
「―――あ、あるに決まってるじゃない!」
…そう答えたあとすぐに、あたしは後悔することになる。