何でかな。
このとき、素直にならなきゃいけない気がしたの。
いつまでも意地張るな、って、心の声が聞こえた。
「…メイ、今日の夜」
「…え?夜?」
突然のレオの言葉に聞き返すと、レオは頷いた。
「夜、部屋に迎えに行くから」
…迎え?何の?
あたしが眉をひそめたにも関わらず、レオは「そろそろ帰るか」と言って、歩き出した。
「ちょっと、レオ!」
「ああ、食いもんならここにあるから。城まで我慢しろ」
「そっちじゃないわよッ!」
慌ててレオを追いかけ、横に並んでそう言っても、レオはただはぐらかすだけ。
こっちは、気になって仕方がないのに。
胸元のネックレスが、ほんのりと熱を帯びた気がした。