レオがずいっと顔を近づけると、カイルさんは短く悲鳴をあげた。
レオはカイルさんの胸ぐらを掴むと、悪戯に笑った。
「お前の周りからの信頼度なんか、たかが知れてる。誰がお前の言うことを信じるっていうんだ?」
「ぐっ…」
図星をさされたのか、カイルさんは口元をひきつらせた。
「そんなのわから…」
「そーいやぁ、お前んちに貸した金が返ってこないって、親父がボヤいてたなぁ」
反撃に出ようとするカイルさんの言葉を遮って、レオはわざとらしく、まるで今思いついたかのように言った。
途端、カイルさんの顔から血の気の引く音が聞こえた。
「そそそそれはっ」
「いいのかなぁ?そんなデカい態度で。何百年前に貸したっつってたかな~…」