「レオッ!悪いよ、あたしも払…」
「黙って奢られてろ」
パシ、とあたしのおでこを軽く叩くと、レオは会計を済ませ、ネックレスを受け取った。
「ありがとうございました」
おばあさんの声を背中に受け、あたしたちはお店をあとにした。
すかさず、あたしはレオに謝った。
「ごめん、レオ。5000フィナって日本円に直すといくらかわかんないけど、きっと高…」
冷たい視線を向けられ、あたしは口をつぐんだ。
「…謝られたいわけじゃねぇんだけど」
ぶっきらぼうな口調でそう言うと、レオはネックレスをあたしに投げて寄越した。
あたしはそのネックレスを見て、ぎゅっと握りしめてから顔を上げた。
「…ありがと!」
すると、レオの表情が和らいだ。