あたし…


何で魔族の字が読めるんだろう。



ネームプレートに書かれた字は、明らかに日本語じゃない。


なのに何で…



「おい、メイ」



呆れたようなレオの声に、あたしの体はビクンと反応した。


「いつまで突っ立ってんだよ。見ねぇのか?」


「あ…うん、見るよ」


そう言って、近くに並べられたネックレスの棚を眺めた。


心臓はまだ、どきどきしてる。



そのとき、綺麗な蒼い玉がぶら下がったネックレスを見つけた。


あたしは、それを手に取る。


「綺麗…」


「それは、一番の人気商品ですよ」


その声に驚くと、いつの間にかあたしの隣にいたおばあさんは微笑んだ。


「薔薇姫になぞらえて、蒼い瞳を表したもので、身につけると幸運が訪れる、といわれております」