頬を膨らませて怒るあたしに、「はいはい」と適当な返事を返すレオ。
かなり憎たらしいけど。
そんなレオまでも、かっこいいって思ってしまうあたしは、かなり重症だ。
…恋って、怖い。
「メイ、何が欲しい?」
「え?」
急にそんなことを聞かれても、とあたしは顔をしかめる。
洋服は、タンスに沢山入ってるし。
生活に必要なものはそろってるし。
「ん―――…」
腕を組んで唸るあたしを、レオは隣で面白そうに眺めている。
「欲ねぇなー」
「だって、突然訊かれても思いつかないわよ」
あたしが肩をすくめると、レオは「それもそっか」と呟いた。
「レオは?欲しいものあるの?」
何気なく横を向いてそう訊ねると、レオの悪戯な瞳があたしを捉えた。