「うわ―――!! すごいっ!!」
「あんまはしゃぐなよ、ガキじゃあるまいし」
顔を輝かせるあたしを、たしなめるレオ。
だって、はしゃぎたくもなるよ?
レオと二人っきりでデート!
…という名のショッピングだもん。
買い物行くぞ、と急に誘われたのは、お昼を食べた後のこと。
ずっとお城の中で過ごしていたあたしは、外に出れると聞いて大喜び。
何が起こるかわからないから、赤のカラコン着用だけど。
「魔界にも、商店街とかあるんだね!」
一本の大通りの両脇に、隙間なく並ぶ建物。
右、左ときょろきょろと辺りを見渡すあたしに、レオが言った。
「紅玉祭ほどの賑わいじゃねぇけどな。今度は迷うなよ」
「迷わないわよッ」