「ねぇ、マレッタ?聞いてる?」
その言葉に、わたくしは我に返り、
「え、ええ。もちろんですわ」
慌ててそう答えると、メイさんは少し眉をひそめましたわ。
ここは、レオ様のお城にある、メイさんの部屋。
そこで、乙女同士の密談中ですの。
「本当に?…ロゼのこと考えてたんじゃない?」
そう言って、悪戯に笑うメイさんに、わたくしは顔を赤らめましたわ。
「い、いけませんの!?」
若干上擦った声でそう答えると、クスクスと小さく笑うメイさん。
そんなメイさんを、わたくしはじっと見つめましたわ。
…メイさんがいなかったら、わたくしはきっと、今でもレオ様を利用していましたわ。
ですからわたくし、メイさんには感謝していますの。