「…マレッタ?」


突然現れたレオの言葉に、へ?と間抜けな声を出したあたし。


レオの姿を見た美少女は、瞳を輝かせた。



「レオ様っ!!」



美少女は、すぐさまレオのそばに駆け寄って、レオの腕に自分の腕を絡ませる。


その腕を、レオは振り払おうとはしなかった。


「は―…、何しに来たんだよ」


「用がなければ、来てはいけないんですの?」


呆れ顔のレオに、むぅ、と頬を膨らませる美少女。



…レオ、この子には普通に接してるんだ。


嘘のレオじゃ、ない。



途端に、胸の奥が痛んだ。


「メイ?」


「―――あ、何?」


レオに名前を呼ばれ、ドキリとしながらも、冷静を装った。


一瞬の不快感を、すぐに頭から追い払う。