その美少女は、ツカツカと歩いて来ると、あたしの目の前で立ち止まった。


その気迫に、あたしはごくりと喉を鳴らす。



僅かな沈黙の後、美少女が口を開いた。


「…あなた、誰ですの?」


…ですの?


お嬢様口調?



少し躊躇いながらも、紅玉祭の後にレオと打ち合わせた通りに答えた。


「…レオの妹です。病気がちで、あまり外に…」


「嘘仰らないで下さる?」


―――え?


無意識に、体が強張った。



美少女が、あたしに詰め寄って来る。


「レオ様に妹がいらっしゃったなんて、聞いたことありませんわ。あなた、レオ様の何なんですの!?」


「な、何って…」


レオのバカ―――!!


バレたじゃないッ!!