初瀬亜伊里 13歳

初めての中学校

小学校とは違う。なにもかも。

彼氏と登下校

キラキラの食堂

友達との楽しいスクールライフ

そう・・・

思っていた。

でも実際は

中学校に入って、特にトクベツな事もなくて。

部活も何に入ろうかって悩んでて、

「陸上部入らないっ?」

優しくて、明るい先輩に誘われて-・・・

皆に、

「何で陸上部に入ったの?」

って聞かれるけど、それが答えだった。

当時、‘先輩’という存在を恐れていた私は、

優しくしてくれる先輩が嬉しかった。

まあ。今となってはただの勧誘なんだろうけど・・・


最初は楽だった練習メニューも、

慣れてくるにつれてどんどん厳しくなっていった。

でも、単純な私は

「青春してる~」

ただそう思い込み練習に励んでいた。

・・・と。

それは入部して二ヶ月ごろの私。

今は・・・

同じ陸上部の神崎心菜としょっちゅうサボっている。

たまに部活に行っても、

顧問も先輩も怒ったりしない。

そういう、ユルイ部活なのだ。