なんでだろう?
Aさんについての疑問を、母親にぶつけたことがあった。
「お母さんがいなくて、お父さん一人じゃきっと大変なのよ。Aさんはとっても頑張ってるんだよ?」
そうなんだ、仕方のないことなんだとわたしは思って、母親に言った。
「うちにあるいらない傘をひとつ、Aさんにあげてもいい?」
いいよ、と母親がわたしの頭を優しく撫でる。
わたしはとても嬉しかった。
「喜んでくれるよね?どんな風に喜んでくれるかな?」
次の雨の日が待ち遠しかった。
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