窓を開けた瞬間突発的な風がほほをなでた。


『んっ……』


そのあとの暖かい陽射しは眩しすぎるくらい。


ガラッ


ドアを開ける音がした。


え?


すぐさま振り返る


「え?」
『……え?』
「お前、誰?」


びっくりした表情の男子が入口に立ち尽くしている。


いや、かなり私もびっくりしたけれど。


ネクタイの色が私と一緒ってことは、同じ学年かぁ。


『……ここに用事?』
「いや、そんなんじゃねーけど…」
『……あの?』
「てゆーか、お前誰?3年だろ?」
『そっちこそ誰?』
「えっ俺のこと知らねーの!?」


見た目からして目立ちたがりな感じしてるし、ネクタイゆるゆるだし、髪染めてるし……


こんな恰好の人なんて私の学校いっぱい居るから分かんないし。


『うん』
「叶くんでしょー!?」


………かのう?


『……へー』
「あー知らないか…」
『うん、残念ながら』
「超有名人だと思ってたのに」
『私あんまり有名人とか興味ないから』
「あー居るよね、そういう子」


なんだこの超自意識過剰な人。


もうシカト決定。


「……なぁ」
『……』
「お前も、桜…?」