桜並木を一緒に見た、とか、キスした、とか、私にとって別にどうでもいい。


それから新しく恋が芽生える訳でも無いし、進展したいとかそういう気持ちもさらさら無い。


ただ少しびっくりしたのが、彼は本当に有名人だったのだ。


「イブキ君てさー、ちょーっかっこよくない!?」


かっこいい男子に敏感な綾子(あやこ)と話してた時の一言。


『イブキ?誰よそれ?』
「えっ志、イブキ君知らないの!?」
『ドラマとか出てる人?』
「ちーがうよ~叶!!叶イブキ君!!」






……叶?
か の う?
「叶」って、あの?


「もー超かっこいい!!」
『綾子彼氏居るじゃん』
「それとこれとは」
『別、なんだっけ?』
「そーそー、あははっ」


ふぅん。
叶君って人気あるんだ。


ルックス…
多分かっこ良かった…ような…


あんまり人の顔なんて、見ないし……





《「笑えんじゃん」》


叶君に言われた言葉。

………。


んー…笑う、ねぇ。