「コロッケ泥棒!」



「言いたいことはそれだけ?他には?」





「いちご泥棒!」



「他に、俺が奪ったものってないの?」





考えた。



何だろう。





「俺、お前の心・・・奪ってない?」




ニヤリと笑ったまーちゃんが、ポケットから1本の鉛筆を出した。




「あ!!」




それは私が授業中に千夏と一緒に落書きした鉛筆だった。




「まーちゃん大好きって書いてあるけど・・・これお前の字だろ?」



見透かしたように笑うまーちゃん。



「え・・・違うし!!!」



「素直になれよ。俺、コロッケといちごはちゃんと返すけど、お前の心は返すつもりねぇから!」