「みはる~!!起きなさい!」
受験当日の朝食が、カツ丼だった。
「あんたバカでしょ?普通、こういうのって昨日の夕食に出すんじゃないの?」
「いいじゃないの~!美春が頑張れるようにと思って早起きして作ったのに」
お母さんにしては、上出来のカツ丼だった。
全部食べた。
たくさんの人の愛情が体に染み込んでくるようだった。
遅くまで勉強していると夜食を出してくれたお母さん。
受験勉強を通して、本当の親子になれた気がする。
滅多に話さなかったお父さんとも、最近は少し話す。
受験のお守りをお正月にくれた時は、ちょっとだけ見直した。
もちろん、お父さんにもらったお守りよりもまーちゃんにもらったシャーペンの方が大事だけどね。
でも、ありがとう。
みんながいるから私がいる。
みんなに支えられて私がいる。