まーちゃんに出会えなかったら、私はまだ誰も信じられないままだった。
高校も行かず、友達もいない生活だったかも知れない。
「合格したら私から何かしたい。まーちゃんのおかげだから」
「俺は何もしてねぇよ。お前が頑張ったからだよ。って言うか、俺もお前ももう合格した気分になってねぇか?」
私とまーちゃんはいっぱい笑った。
まーちゃんもわかってる。
合格するまでの関係だってこと。
私とまーちゃんの特別な関係は、高校合格というゴールを迎えたら終わってしまう。
「美春!受験の朝にメール送りたいからアドレス教えろ!」
「え~!生徒口説いてんの?まーちゃん、さすがだね~」
本当は涙が溢れてた。
嬉しかった。
本当はずっと聞きたくて、他の生徒がまーちゃんとメールをしたという話をしていて、羨ましかった。
でも、聞くことができなかった。
まーちゃんも聞いてくれないし、私も自分から聞けなかった。
知ってしまうと、もっと欲張りになる性格だって自分でわかってたから聞かないことにした。