『あっ…だっ大丈夫!!それよりもう話終わったの??』

『いやまだだけど…
あれ?!あなたD組の五十嵐俊(いがらししゅん)くんじゃない?!! えっ!!歩知り合いなの?!』
『いや…たまたま会っただけ…名前も今初めて知ったし…てか何で愛花は名前知ってんの??』

『だって圭の友達だから♪』




え――?!!!
あのチャライ圭の友達―?!!
こんな爽やかな人が?!
意外だ…


と,圭たちを見てみると本当に仲良さそうに話している。
本当に友達なんだ…



『じゃっ♪何もなかったみたいだし,もう少しうちら話してくるね♪』


そう言って愛花と圭はまた向こうの方へ行ってしまった。




『……。』

『……。』



きっ気まずい…


なっなんか話さなきゃ!!



『…あの…』

『んっ??』

『あっ…えーとー…』


うわぁー!!やばい!!今更話すことなんてないよー(泣)




『…あのさっ…』


そう言って先に話し始めたのは彼だった。


『どうせあの二人待ってるんでしょ??ならそれまで俺も一緒に待っててあげるよ。一人じゃ怖いでしょ??』

『あっ…うっうん♪』

私がそうやって返事をすると彼は私の隣に来て座った。


―‥緊張するなっ―

いつもは感じないなんだか不思議な気持ち…

どうしちゃったんだろう私…
上手く喋れない…
今までこんなことなかった。

こんな気持ちにしてくれたのはあなたが初めてだったよ。




『名前…』

『えっ??』

『俺の名前まだ知らないでしょ??俺の名前は,五十嵐俊。』

『あっ…どっどうも…』

『そっちは??』

『あっ!私は中原歩。』

『へ―。歩ちゃんか♪俺のこと俊でいいから♪』

『あっわかった!!私のことも歩でいいよ♪“ちゃん”とか付けられるとなんか変な感じするから。』

『わかった♪歩ね。』





―ドキッ‥―




ただ,名前を呼ばれただけなのに高鳴る私の心臓…





『俺さ…実は歩のこと前から知ってた…』

『えっ?!』

『驚いたよな…でも歩って目立つから…何度か男友達と話したりする時も歩の名前出てたからさっ…』

『へっへぇ~…』

意外!私が目立つなんて言う人初めて見た。



それから話が弾み愛花達が私達の所に来るのにそんなに時間はかからなかった。