『ただいま―…お母さんいないの??』

台所のほうへ足を進めると,そこには一通の置き手紙があった。


―歩へ―
お母さんは今日は同窓会があるから,ご飯は愛花ちゃんのところでご馳走になってね。
―お母さんより―




『いい年こいて同窓会かよ…』
なんて愚痴をこぼしながらも時計を見る。


PM 6:00


まだ愛花の家に行くのには少し早すぎるな…
お風呂でも入るか♪


そう思いながらも
お風呂に入る。



『はぁ~…今日も疲れた…』

ふとある人の顔が思い浮かぶ…それは,今日初めて会ったあの人の顔…

一年生って言ってたっけ。
名前ぐらい聞いときゃよかった。…それにしても,整った顔してたな…





ふと時計を見てみると,

!!


PM 7:30


やばっ!!
急いでスウェットに着替え愛花の家に向かう。
愛花の家は家から歩いて5分もかからないぐらいの距離にある。



ピンポーン―‥


ガチャッ



『あら~♪歩ちゃん。遅かったじゃないの~。さっ。早く上がってちょうだい♪』

『お邪魔しまーす。』

陽気に玄関のドアを開け出迎えてくれたのは,愛花のお母さんの亜希(あき)おばちゃん。
私は小さい頃から亜希ちゃんって呼んでる。
今更“おばさん”とか言うのはなんだか照れ臭くて言えない。普通は逆だけどね(笑)

だから愛花も私のお母さんのことを知美(ともみ)ちゃんて呼んでる。

そのくらい,家族ぐるみで仲いいってわけ♪





部屋に上がると愛花はご飯を食べていた。


『歩おそ―い!先ご飯食べてるよ~』

『ごめん。ごめん。お風呂入ってたから。』



今日の晩ご飯は肉じゃが。私の大好物でもあり,亜希ちゃんの得意料理♪
これがまじで絶品★なんだよね。私が来るって知ってる時はいつも肉じゃがなんだ。


『亜希ちゃんの肉じゃが最高★旨すぎる♪5つ星だよ~♪』

『あら。本当??そう言ってくれると嬉しいわ♪』


亜希ちゃんはとても嬉しそうに微笑んでいた。



『あっ!』

『どっどうしたの愛花??いきなり大きい声出して?!』

『歩,今日泊まっていくでしょ?』

『えっ?』

『そうよ。今日どうせ知美ちゃん帰り遅いんでしょ??泊まっていきなさい。』

『じゃぁ。お言葉に甘えて♪』